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番外編『古道具 中野商店』

直接"古道具屋めぐり"とは関係ないですが、こんな題名では読まないわけにいかないでしょう、川上弘美著『古道具 中野商店』。

で、まぁ、面白かったので、ご紹介しますw

さて、(作家買いではなく)この題名のこの本を、手に取ろうとする人は、きっと俗世からちょっと離れた、ある意味浮世離れした世界を味わってみたいと思っている人ではなかろうか。
事実、私もそういう気分でこの物語を読み始めます。

期待にたがわず、古道具屋『中野商店』を舞台に、個性的な登場人物たちが織り成す、まったりとした日常と小さな事件が描かれてゆきます♪

店主・中野さんは変人ではあるものの、思ったよりも俗物。
かえって、その姉・マサヨさんの方が"ゲイジュツカ"で、雰囲気あり。
そして、物語の語り部であるヒトミが、実は一番の現実逃避者か。

女性の著者ゆえ、店主やアルバイト店員タケオなど男性の心理描写には不満が残りますが、マサヨ×ヒトミ、店主の愛人サキ子×ヒトミの掛け合いなどは味わい深い。

やがて、中野商店は「閉店=解散」→「リニューアル=再会」となり、物語的にはハッピーエンドなのでしょうが、読者的にはなんか"アン・ハッピー"。
若い2人(ヒトミとタケオ)が俗世に戻るのはやむを得ない(むしろ必然!?)としても、中野さんやマサヨさんが再び俗世にまみれるのは残念ですねー。

中野商店は中野商店のまま足りえたら、読者は夢を見つづけられたのかもw

予想していたより、ちょっと恋愛風味が強いのですがw、興味のある方はぜひ読んでみてください。

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Profile

市朗。横浜在住。
建築学科卒。30代。木フェチ。
とくにオークやナラがよいですねー。
F.L.ライトやハンスJ・ウェグナーが好き。

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